Taught me kindness


世界は広いね...
  優しさが たくさん
優しさに気づくのは...
    あなたがいるから♡


10年ほど前だったと思います。
「あなたの夢ってなぁに?」
と一緒に仕事をしていた人に質問されました。
アパレルの仕事がしたい、カフェをしたい、デザイナーになりたい、美容師になりたい、家を建てたい・・・
子どもの頃には色んな夢がありましたが、その時の私の答えは
「優しい人になりたい!」
でした。

美容師にもなったし、家も建てた。レストランの社員のときはカフェ部門を担当した。
そして今はデザイナーの仕事をしています。

子どもの頃の夢をある程度は経験してきた年齢なので、
「あなたの夢は?」と聞かれても、〇〇になりたい!…というような夢もなくて、抽象的な答えしか出てきません。
実際には、当時は目の前のことで精一杯で、そんなことも考えていなかったのかもしれません。

そもそも急な質問だったので、無意識に頭に浮かんできた「優しい人になる」という言葉を言ってしまったのかもしれません。
今思えば、大それたことを返してしまったな〜と思っています。

優しい人って、どんな人のことを言うのでしょうか。

少し私の生い立ちをお話しすると、私は忙しい両親と手のかかる弟がいる幼少期を過ごしました。
父親も手のかかる人でしたので、母親からの愛情を受ける順番が一番最後でした。
最後の順番まで届いてくれれば良いのですが、忙しい母でしたのでそうもいかず、私は苛立っていたんだと思います。
その苛立ちは弟に向けられていたようです。

きょうだい喧嘩をすると、母に「〇〇くん(弟)は優しいけど、お姉ちゃんは優しくないね」とよく言われました。
もちろん、母を悪く言うつもりはありません。
弟は本当に優しい人で、言っていることは事実でしたから。

それが原因で「私って優しくないのかな?」という不安を抱えながら大人になっていきました。
ですが、この経験をしてきたから「優しいってどうゆうこと?」と考えてこられたんだと思います。
そして、あの時の「優しい人になりたい!」と無意識に言ったことに繋がったと気づきました。
「優しさ」について潜在意識はずっと考えていてくれたんですよね。

人に優しくされて嬉しかったことがあります。
特に心に残っていることは、人生のどん底だった頃の出来事です。
2人の友人から「ビアガーデンに行こう!」と誘われ遅い時間まで付き合ってくれたことです。

お酒を飲みに行くって、普段ならさほど心に残るようなことでもないのに、その時の私の状況が悲惨だったために、あの日の誘いは本当に嬉しいものでした。
誰にも話せなかったことを、私の気が済むまで話を聞いてくれた2人には感謝しかありません。

そして私を強くしてくれました。
それまでの私というのは、周りの人に合わせられることが良いと思っていて、ちょっとくらい言いたくても我慢する毎日を送っていたのです。
自分の考えを持たないようにしてるから、あっちにフラフラ…こっちにフラフラ…。
周りに流されて生きていました。

そんな人でしたから、合わせられた人からは「優しい人」と思われていたと思います。
だって、どんな意見に対しても「YES!!」と言っていたのですから。
それが「優しさ」だと勘違いしていたなんて、恥ずかしいですよね(^^;)

そんな私を強くしてくれたのは、「自分の意見を言う勇気」でした。
2人の友人から「我慢の仕方が普通じゃないよ」「言いたいことは言わなくちゃ」とたくさんアドバイスをもらい、ついに行動に移せたのです。

徐々にですが、その頃を境に思っていることは口に出せるようになりました。
嫌だと思ったら言い、良いと思ったことはする。
おまけに、行動する前の周りの人の目を気にしなくなりました。
周りがどう思うのか気にしすぎて動けなかった過去の自分とサヨナラして、今では、思いついたことを納得するまでやってみる人に変身しています。

ちょうど同じ頃、先ほどの2人ではない他の友人から、
「なんだかんだ言っても、あなたがそうしたかったから今こうなってるんでしょ!?」
と言われ、かなりショックを受けました。

否定されるような言葉は、私の心にずっしりと重くのしかかったのです。
優しい言葉が欲しかった私は不意を突かれ、期待とは真逆の言葉は傷口に塩を塗られた感じ。
「なんてひどいことを言うの?私が悪いの?」とその感情はしばらく続きました。

そして、それが彼女の「優しさ」だったことに気づくまでに、数年かかってしまいました。
『今の現状を作っているのは自分自身』だということを教えてくれたのでした。

どんな経験にもその経験から得るものがあります。
同じような出来事でも、人それぞれ違った反応をします。
その人の置かれている立場や状況によって違いはありますが、その出来事でどのような意味づけをするか、その出来事をどうとらえるかで、その後の状況は変わってきます。

経験した事実は変わりませんが、自分がどのような意味を与えるかによって、ポジティブにもネガティブにもなっていきます。
その人の考え方次第とも言えますよね。

それならポジティブになったほうが良くないですか?
それには視点を変えることです。
例えば、子どもの頃の何かが原因でトラウマを抱えていたとします。
10年前にそのことを思い出したときには、ネガティブな感情しかなかったことでも、10年経った今の自分ならどうとらえるか、視点を変えてみてください。
辛い過去をお持ちの人は苦しいかもしれませんが、遠い遠い過去の、子どもの頃に傷ついた自分を見て欲しいのです。
誰に対して悲しんだのか、何に対して傷ついたのかを思い出します。

そして今の自分の視点で「あの出来事があったから今がある」と言えるものを言葉にしてみてください。
「いじめられたから今は人を傷つけるようなことはしない」
「両親が忙しくてかまってもらえなかったから今は家族との時間が大切だ」
など、それぞれに思う言葉が出てくると思います。

それに気づかせてくれることが、私たちが生きるこの世界からの「優しさ」という贈り物なのです。
それぞれの人のちょうど良いタイミングで「優しさ」が流れてくるのでしょう。

その優しさに気づくと心があたたかくなりますよね。
しかし、あたたかくならない優しさに気づくこともあります。
「本当の優しさ」ではなく偽物もあるのです。

困っている人を助けるのは優しさですが、見返りを求めるのは本当の優しさではありません。
相手から良く思われたくて親切にするのも偽りの優しさです。
相手に嫌われたとしてもダメなものはダメと言えるのが本当の優しさです。

また、必要以上に手助けするのは、ただのお節介です。
本当の優しさは、あえて手を出さないで優しく見守ることです。

「優しさ」とは、簡単な言葉でありながら、とても奥深いものだと思います。
私の夢「優しい人になる」という道のりはまだまだ続きそうです。